一様収束メモ
計量経済学の授業で一様収束が出てきたけど、将来的に絶対忘れるのでメモ。
ここで書く例はネット記事とか授業を参考にしつつ自分で考えたので間違ってるかも。
関数の一様収束が重要になる例としてここでは2つ考える。
1.βn=argmin(fn)、β=argmin(f)としたときに、関数列fnがfに収束(各点or一様)する場合、βn→βかどうか?
この場合、関数が一様収束するのが十分条件っぽい(必要かどうか調べてないからわかからない
各点収束するが一様収束しない関数で上記が成り立たない例を考えてみた。
fn = -1 (if x = n), x^2 (otherwise)
f = x^2
こうすると、fnはfに各点収束(xを固定したら、n>xでfn(x)=f(x))、するけど一様収束しない(sup|f-fn|=n^2+1なので収束しない)。
ところで、βn=argmin(fn)=-1、β=argmin(f)=0なので、βnはβに収束しない。
なのでこれは各点収束するけど一様収束せず、βnがβに収束しない例となっている。
2.βn→β、fn→f(各点or一様)のとき、fn(βn)→f(β)かどうか?
関数の連続性みたいな話。一様収束が十分条件であることは、定義を用いつつ三角不等式を使って証明できる。
各点収束するが一様収束しない関数で上記が成り立たない例は以下の通り。
x∈[0,1]
fn = x^n
f = 0 (if x < 1), 1 (if x=1)
fnはfに各点収束(xを固定したら、x<1ならfn=x^n→0=fで収束、x=1ならもとからfn=f)、するけど一様収束しない(sup|f-fn|=1なので収束しない。グラフをイメージするとわかるがxが1よりちょっと手前の部分では常にfn≒1である。いくらnを増やしても、この部分は右に移動しながら残り続ける)。
次に収束列βnを考える。
βn = 1- 1/n
このとき、βn → β=1である。
以上のようなセッティングの元では
fn(βn)=(1- 1/n)^n → e^-1≠f(1)=1
であるので、fn(βn)はf(β)に収束しない。
以上
第一学期終了
サンフランシスコ空港で謎の15時間トランジットをキメており暇すぎるので更新。初めて空港で寝てみたけど、体がバキバキになる以外は意外とイケるなという印象。
そしてPhD初学期を終えての感想。
正直言うと、自分はTAの仕事が多すぎて忙殺されていた。クラスメイトの話を聞くところによると人によっては二週間に一回採点の作業をするだけの人や、実質的になんの仕事もない人がいる一方で、自分は生徒への対応や宿題作成・採点、授業への参加などにより週丸2日ぐらいは仕事に費やしていたため、仕事量のheterogeneityは半端ではないようだ。
自分はhalf TA×2ということで2つのクラスを受け持っていたが、ハーフと言いながら生徒の質問対応は純粋に二倍になるため、学期中はひたすら学部生に奉仕していた感じ。
そんなこんなで試験勉強などする時間はあまりなかったわけが、幸いにも成績的にはマクロとエコノメはほぼコーホートのトップの成績で終えることができた(両者ともにA+)。これはひとえにこれまでの貯金の賜物だったと思う。あと、イキるために授業発言をかなり積極的にしてみたが、やはり発言をして先生と議論したところは特に復習などをしなくともかなり記憶に定着するので、結構効率が良い気がする。
来季はヌルいTAにassignされたい〜と思ってたところだが、なんと意外なことにRAの仕事を割り当てられた。当departmentはPhD一年生でRAにassignされる人はほぼいないらしいので、かなりラッキーである。正直コースワークばっかりでアウトプットの機会がなく退屈していたので、RAをやらせてもらえるのは楽しみである(どれだけ大変かは不明であるが・・・)。
マスキャンプ終了
あまりにも暇なので日記というかマスキャンプの感想を書く。
自分の行ってる学校のマスキャンプは7月下旬〜8月下旬で、①確率・統計と②集合位相・実解析・線形代数等の2パートに分かれており、それぞれに試験が存在する。
全体の感想としては、正直経済学の修士を持っていればどれも既知事項が多く退屈である(学校側もそれはある程度承知だとは思うが)。例えばコーシー列が云々とかいう話については理科一類でやり、経済学部でやり、経済学部時代にとった数学科の授業でやり、修士課程でやり、今回含めると実に千回以上は授業で習ったことがあるのでもうええわという感じ。
以下、それぞれの授業で面白いと思ったというか新しく知ったこと。
①確率・統計
ルベーグの分解定理というものがある。これは、確率測度を絶対連続部分と離散部分とsingular continuousの部分に分解できるというものだが、分解出来て何が嬉しいのですかという話になったときに、例えばサーベイデータなどでデータがある部分でcensorされている様な場合(例えば年間所得のサーベイで100万円以上は連続値、100万未満は一律100万未満とするなど)、連続測度と離散測度の和で確率測度を表現すると色々積分などするときに便利だという話。
②その他数学
不動点定理について。地図を広げたとして、地図上の位置と現実の位置が一致する点がかならず存在するというのは言われてみればその通りだなと思った(有名な話?)もう一つの例はコーヒーをかき混ぜると必ず不動点(動いてない粒子)があるという話。これはcompactかつconvexな集合上の連続なself-mappingは必ず不動点を持つというブラウワーの不動点定理からわかる(コーヒーカップはcompactかつconvex、かきまぜは連続なself-mapping)話なのだが、直感的には納得しづらい・・・
以上